飲食店経営では衛生管理が最重要項目です。衛生管理とは何か、開業前にどのようなことに留意すればいいか、また開業してからはどのようなことに気を配るべきか、私の体験を交えてアドバイスします。
- 1.飲食店における衛生管理が何よりも重要な理由
- 2.食中毒・感染症予防の基本は「HACCP(ハサップ)管理」を知ることから
- 3.従業員・アルバイトスタッフへの徹底した衛生教育の重要性
- 4.改めて確認!新規開業時の衛生用品の選び方
- 5.まとめ
1985年長崎県生まれ。18歳で名古屋にて料理修行を開始し、24歳で東京にて独立。飲食店経営者歴14年、料理人歴20年の実績を持つ。最大4店舗を展開し、現在は2店舗を運営。企業コンサルティングや料理技術指導も行う。著書に『プロのコツでいつものごはんが100倍おいしくなるレシピ』。YouTubeチャンネルでは、飲食店開業や経営に関するノウハウを発信中。飲食業界の若手育成に尽力している。
飲食店における衛生管理が何よりも重要な理由
衛生管理は、食中毒や感染症のリスクを防ぎ、顧客の健康と安全を守るためのもの。飲食店経営において衛生管理が最も大事な項目です。なぜなら、もし万一食中毒などを起こしてしまうと、最悪は閉店せざるをえない状況になることもあるからです。
衛生管理を徹底することは、法令遵守はもちろん、信頼性の向上につながり、むしろ集客力を高めることも期待できますので、改めてポイントを確認しておきましょう。
新規開業の記事でも触れましたが、私が他店を視察するとき、まずトイレを見ます。
トイレはどうしても一番汚い場所ですから、そこをきれいにしている飲食店は細かなところに目が届いていると考えています。一番汚い場所をきれいにしているなら、裏側も信用できるものなのです。おそらく、お客様も同じように見ていて、トイレがきれいな店には好感を持つはずです。
衛生管理は店舗の信頼性や顧客満足度に影響します。清潔な厨房やトイレが顧客の安心感を高めますし、衛生的な調理環境が食中毒のリスクを減少させるからです。店内のいたるところが清潔なことによってリピーターが増加し、ポジティブな口コミが促進され、店舗の評価が向上します。
逆に、衛生管理が不完全だと、どんなに美味しいものを提供していたとしても、訪れるお客様は減っていきます。
料理は五感で楽しむもの。悪臭がしたり、不潔な場所が目にはいったりするだけで、食欲は減退します。そして、信頼も失います。デジタルタトゥーという言葉がありますが、ひとつ問題を起こすと一瞬で拡散され、再起不能に陥ります。
衛生管理を徹底することは、法令遵守はもちろん、信頼性の向上につながり、むしろ集客力を高めることも期待できますので、改めてポイントを確認しておきましょう。
新規開業の記事でも触れましたが、私が他店を視察するとき、まずトイレを見ます。
トイレはどうしても一番汚い場所ですから、そこをきれいにしている飲食店は細かなところに目が届いていると考えています。一番汚い場所をきれいにしているなら、裏側も信用できるものなのです。おそらく、お客様も同じように見ていて、トイレがきれいな店には好感を持つはずです。
逆に、衛生管理が不完全だと、どんなに美味しいものを提供していたとしても、訪れるお客様は減っていきます。
料理は五感で楽しむもの。悪臭がしたり、不潔な場所が目にはいったりするだけで、食欲は減退します。そして、信頼も失います。デジタルタトゥーという言葉がありますが、ひとつ問題を起こすと一瞬で拡散され、再起不能に陥ります。
食中毒・感染症予防の基本は「HACCP(ハサップ)管理」を知ることから
食中毒や感染症の予防には、定期的な手洗いや消毒、食材の適切な保存、温度管理(冷蔵庫や調理温度のチェック)、毎日の清掃が重要となります。
日々の衛生管理においては、スタッフの衛生教育も欠かせません。私の場合は従業員やアルバイトスタッフに、できる限り食品管理責任者と防火管理者の講習を受けてもらっています。それに加え、HACCP(ハサップ)管理も行い、毎日報告してもらっています。
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、厚生労働省の定義によると、事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。この手法は、危害要因を除去、あるいは低減させることを目的としています。
※参考:厚生労働省|HACCP(ハサップ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html
どの項目も重要なのですが、私の場合、特に注意しているポイントは、食材の取り扱いと保存温度です。生鮮食品は適切な温度管理をしないと、食中毒菌が残ってしまったり、気づかないうちに腐敗してしまったりするリスクがあります。
例えば、赤く鮮やかなレアの肉はシズル感があり、お客様からも人気の看板商品になります。
しかし、芯温管理(食品の中心温度の管理)を厳格に行わないと、食中毒を起こす懸念もあります。食中毒菌やウイルスを死滅させるには温度や時間などの細かい決まりごとがありますので、必ず、厚生労働省や信頼できるサイト、書籍を参考にしてください。
この「火入れ」を感覚でやるという料理人も中にはいますが、衛生面を感覚だけに頼ると人によってブレが出るのでリスクがあります。衛生面に関しては道具に頼ることをおすすめします。当社でも温度計やタイマーできっちり測っています。温度計やタイマーなどの計測機器は、アズワンさんのような信頼性の高いところで精度の高いものを選んだ方が安心です。
また、まな板や包丁などの調理器具を厳格に管理することも重要です。消毒が不十分だと、交差汚染(適切に衛生管理されている食品に、逆に病原菌などを付着させてしまうこと)を起こしてしまうこともあります。熱湯消毒・アルコール消毒・塩素系の漂白剤の利用など、調理器具の衛生管理についても適切な方法で行えるよう、簡単なマニュアルを作ってルール化することも重要です。
※参考:厚生労働省|HACCP(ハサップ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html
どの項目も重要なのですが、私の場合、特に注意しているポイントは、食材の取り扱いと保存温度です。生鮮食品は適切な温度管理をしないと、食中毒菌が残ってしまったり、気づかないうちに腐敗してしまったりするリスクがあります。
例えば、赤く鮮やかなレアの肉はシズル感があり、お客様からも人気の看板商品になります。
この「火入れ」を感覚でやるという料理人も中にはいますが、衛生面を感覚だけに頼ると人によってブレが出るのでリスクがあります。衛生面に関しては道具に頼ることをおすすめします。当社でも温度計やタイマーできっちり測っています。温度計やタイマーなどの計測機器は、アズワンさんのような信頼性の高いところで精度の高いものを選んだ方が安心です。
また、まな板や包丁などの調理器具を厳格に管理することも重要です。消毒が不十分だと、交差汚染(適切に衛生管理されている食品に、逆に病原菌などを付着させてしまうこと)を起こしてしまうこともあります。熱湯消毒・アルコール消毒・塩素系の漂白剤の利用など、調理器具の衛生管理についても適切な方法で行えるよう、簡単なマニュアルを作ってルール化することも重要です。
従業員・アルバイトスタッフへの徹底した衛生教育の重要性
衛生管理の理想は、全ての店舗スタッフに食品衛生責任者の資格を取得してもらい、衛生管理の大切さを学んでもらうことに加えて、日々の現場でも店長自ら衛生教育をしつこいほどに繰り返し行うことです。
私も、今でも現場で手洗いの重要性や食材の適切な取り扱いや保存方法について教育しています。さらに、掃除方法や衛生管理の基準などをちゃんと理解しているか、営業終了後に毎回レポートを提出してもらってチェックしています。
しかし、こうしたことは「当たり前」ではありながら、徹底するのは難しいものです。
私の場合は、「衛生環境を徹底的に整えることは、スタッフ全員の健康を保ち、病気のリスクを減らすためにも重要」と捉えて、根気強く伝えるようにしています。一度習慣にすることができれば、勤務の安定性やモチベーションの向上も期待でき、全体的な業務の効率も改善されます。すると、収益も上がり、給料としても還元できるわけです。衛生管理は良いことずくめなので、面倒とは思わずに経営のためにも重要と考えて実践してください。
私も、今でも現場で手洗いの重要性や食材の適切な取り扱いや保存方法について教育しています。さらに、掃除方法や衛生管理の基準などをちゃんと理解しているか、営業終了後に毎回レポートを提出してもらってチェックしています。
私の場合は、「衛生環境を徹底的に整えることは、スタッフ全員の健康を保ち、病気のリスクを減らすためにも重要」と捉えて、根気強く伝えるようにしています。一度習慣にすることができれば、勤務の安定性やモチベーションの向上も期待でき、全体的な業務の効率も改善されます。すると、収益も上がり、給料としても還元できるわけです。衛生管理は良いことずくめなので、面倒とは思わずに経営のためにも重要と考えて実践してください。
改めて確認!新規開業時の衛生用品の選び方
飲食店の開業時に必要な設備やツールは、消毒用スプレーや手洗い設備、温度計、冷蔵庫や冷凍庫、厨房用の消毒剤、清掃用具(モップ、ホースなど)です。これらは衛生管理を徹底するために欠かせないツールです。こうした衛生管理用品は、ほとんどが消耗品かつ毎日必ず使うものなので、店舗運営コストに直結します。
私はこれまで様々な業者さんと取引してきましたが、アズキッチンさんが取扱っている商品は、本当にコストパフォーマンスが高いと思います。価格はもちろんですが、商品の信頼性が高いことも重要です。例えば、調理用の使い捨て手袋も、脱着がスムーズでないものや、安くても破れやすいのは衛生的にマイナスです。少し値段がしても、自分のお店に合っていて、破れにくいものを選びます。
衛生用品については、安全かつ、1円でも安いものを調達できるようにすることができれば、経営の安定にも繋がります。
私はこれまで様々な業者さんと取引してきましたが、アズキッチンさんが取扱っている商品は、本当にコストパフォーマンスが高いと思います。価格はもちろんですが、商品の信頼性が高いことも重要です。例えば、調理用の使い捨て手袋も、脱着がスムーズでないものや、安くても破れやすいのは衛生的にマイナスです。少し値段がしても、自分のお店に合っていて、破れにくいものを選びます。
衛生用品については、安全かつ、1円でも安いものを調達できるようにすることができれば、経営の安定にも繋がります。
まとめ
衛生管理はお客様との信頼を築く基本です。こまめな清掃と消毒、食材の適切な保存、スタッフへの衛生教育を徹底することで、初めてお客様に安心して食事を楽しんでいただけるのです。お客様の目に触れない部分ですが、衛生管理などの適切な取り組みや努力が、再度のご来店にもつながるのです。